ネット検索大手のグーグルに挑戦するyou.comがAIチャットBOTを検索画面に表示して、誰でもユーザー登録をしなくてもAIチャットが可能な状態にしたことが一部で話題となっています。
AIチャットといえば、GTP3をベースにしたChatGTPが大きな話題になり、その精度や出力される自然な文章から誰でも書けるようなウェブライターの仕事は消滅するのでは?と言われているほど。
実際にGTP3やChatGTPを使っていると簡単な記事の構成や見出しの作成は、すでにクラウドワークスに外注するよりもAIを使ったほうが安上がりにな状態になっているのが現実です。
ただしChatGTPを使うにはユーザー登録の必要といったハードルがあり、2022年11月末の時点では全ての方が気軽に使えるAIといった状態にはなっていませんでした。
しかしChatGTPのあまりの性能からネット検索大手のグーグルの経営陣が事業に対する深刻な脅威への警戒を示して「コード・レッド」を宣言、
MicrosoftとGoogleの元AI研究者のマーガレット・ミッチェル氏は「段階的に改善しながら対話型AIの技術を取り込んでいくアプローチを続けていくのでしょう」との予想を出しました。
ところがChatGTPやAIを中心にしたこのような議論が急加速している間に、you.comが検索結果画面にAIチャットBOT枠を表示、しかもユーザー登録不要で誰でも使える、ChatGTPよりも出力内容の規制が緩い、日本語にも対応したAIチャットBOTを搭載したことでネット検索の在り方についての考え方がさらに急加速しています。
ユーザー登録不要、無料、誰でも使えるAIチャット「you.com」
you.comとはネット検索におけるグーグルの一極支配を打破するために発足したネット検索のひとつで、you.comのCEO Richard Socher氏は『1つの独占企業によって人々が読み、消費し、購入するものが決められ、ユーザー自身がコントロールできない状況はクレイジーだ』と語っています。
you.comでは検索を行うと、検索結果の表示とAIチャットBotによる出力が同時に表示されるようになっています。
検索結果上位からスクロールさせて気になったサイトに飛ぶものよし、AIチャットBotで出力された内容を見てそこで終了するもよし、再検索してもよいし、AIチャットBotと対話を続けるもよし、
それでいてユーザー登録の必要なし、無料…もはや何でもありな状態です。
AI Chat・検索
you.comの使い方はシンプル、検索窓に検索したい内容を入力するだけです。
「アフィリエイトとは?」について検索した画面が以下のもの(PC表示)
検索結果が表示されると同時に右側の「you Chat」にAIの答えが表示されます。右下の入力欄にAIへ聞きたい、出力させたい内容を入力すれば永遠にAIとチャットが可能に。
AIチャットだけ使いたい場合は左上の「Chat」で使えます。
つまりyou.comではChatGTPをユーザー登録無し、無料で使っているのと同じ状態になるということ。
検索結果とAI Chatの出力結果を同時に見て、あとはユーザーが判断してね!といった状態は、グーグルが決めた検索順位や、検索時に表示される広告とはかなり異なるものになっています。
これはネット検索で一極支配状態にあるグーグルを打破するにあたって十分すぎる材料が揃っているように思えます。
you.comへのインデックス
ではyou.comにサイトをインデックスするにはどうするのか、サイトマップの送り先は?といったウェブマスター的なものがあるのかとなると、2022年12月末時点では不明、検索しまくっても出てきません。
ということでyou.comのAI Chatに質問を投げかけてみると以下のような回答が返ってきました。
You.comにインデックスするには、Google Search Consoleを使用します。まず、You.comをGoogle Search Consoleに追加して、登録します。次に、You.comのURLをGoogleに検索して、インデックスを許可するかどうかを確認します。最後に、You.comのURLをGoogleのインデックスに追加することで、サイトをインデックスすることができます。
you.com
AIチャットは身近な存在に
you.comのAI Chatはユーザー登録不要で無料で使えてしまう破壊力は凄まじいものがあり、PCやウェブに詳しくない人でもAIと対話が出来るということ、もちろんスマホでもPCと同じように AI Chatを使う事が出来てしまいます。
グーグルはChatGTPの登場で深刻な脅威への警戒を示して「コード・レッド」を宣言したとされますが、you.comは既に検索結果とAI Chatの同時出力を実装した現状を見ると、既存のネット検索の在り方や広告ビジネスそのものが大きく変わる転換期ではないかと。
注目点はChatGTPのようなAI「LaMDA」をグーグルが開放してくるかどうかでしょう。
つい先月までChatGTPが凄い!と話題になったばかりなのにyou.comのAIチャット登場は、AIがより身近な存在になってきたということなのかもしれませんね。
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